AI検索対策/LLMO

AI検索の仕組みを図解|引用元が選ばれるまでの処理フロー

AI検索の仕組みを図解|引用元が選ばれるまでの処理フロー

AI検索とは何か、従来の検索との違いはどこにあるのかを、情報を探す工程と答えを作る工程に分けて図解します。引用元がどの段階で選ばれるのか、AI検索の回答は正確かという疑問まで、処理フローに沿って整理しました。

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サブ検索ワードを可視化します。

文字の一致ではなく意味の近さで集める

 

分解された質問は、語の一致だけでなく、意味の近さでも照合されます。ここで使われるのがベクトルです。文章を数値の並びに変換する処理(埋め込み)を通し、質問側の数値とページ側の数値がどれだけ近いかをコサイン類似度などで測ります。

平たく言えば、キーワード検索が「同じ言葉が書いてあるか」を見るのに対し、ベクトル検索は「同じことを言っているか」を見ます。そのため「AI検索 仕組み」という語をそのまま書いていないページでも、処理の流れを説明していれば候補に入る余地があります。逆に、キーワードだけを並べて中身が伴わないページは意味の距離が縮まらず、候補から外れます。

実務上は、キーワード一致型の手法(BM25など)とベクトル検索を組み合わせたハイブリッド構成が一般的です。どちらか一方だけで判断されているわけではない点は押さえておく価値があります。

取り出されるのはページではなく断片

集められた情報は、ページ単位ではなく、より小さな断片の単位で扱われます。この分割をチャンク分割と呼びます。長い記事は複数のチャンクに切られ、質問に近いチャンクだけが残り、そこから順位が付け直されます(リランキング)。

ここが理解の分かれ目です。従来の検索では「どのページを見せるか」が結論でしたが、AI検索では「どの断片を材料にするか」が結論になります。記事全体としては優れていても、切り出された一つの段落が単独で意味をなさなければ、材料としては選ばれにくくなります。

回答生成層:集めた断片から答えが組み立てられるまで

絞り込まれた断片は、質問文とあわせて生成AIに渡されます。ここからが回答生成層です。

渡された材料を根拠に文章を作る

生成AIは、渡された断片を文脈として読み込み、質問に対する回答文を組み立てます。この「外部の情報を探してから答える」構成は、Lewisらが2020年に提案したRAG(検索拡張生成)の枠組みとして知られています。生成そのものは、Vaswaniら(2017年)のTransformerを基盤とする大規模言語モデル(LLM)が担います。

押さえるべきは、この層が新しい事実を持ち込む場所ではないという点です。生成AIが行うのは、渡された材料の統合と言い換えです。材料に含まれていない内容は、モデルが学習時に得た知識か、推測によって埋められることになります。回答の質を左右する比重は、生成の巧拙より材料の側に寄っています。

回答を情報源に紐づける

回答を実在の情報源に紐づける処理をグラウンディングと呼びます。回答文の各部分がどの断片に由来するのかを対応づけ、引用元として提示する仕組みです。AI検索の回答に参照リンクが並ぶのは、この対応づけが働いているためです。

ただし、情報源の紐づけは一対一ではありません。要約の過程で複数の情報源が統合されるため、提示された引用元が、その一文の唯一の出所とは限らない構造になっています。引用元として自社サイトが表示されている場合でも、回答文のどこまでが自社の記述に由来するのかは、外側からは特定できません。

ズレの原因は取得層に寄っている

事実と異なる内容が生成される現象はハルシネーションと呼ばれます。生成AIの性能の問題として語られがちですが、処理フローに沿って見ると、原因は取得層側にあることが少なくありません。該当する情報が索引に入っていない、古い記述しか拾われていない、断片が中途半端な位置で切られて条件部分が欠けている。こうした状態では、生成層がどれだけ丁寧に組み立てても答えは崩れます。つまり嘘をついたと感じる現象です。

自社の情報がAI検索上で誤って説明されている状況を確認している場合は、原因の切り分けと対処の考え方を整理した関連記事『AI対策で誤情報を防ぐためのリスク整理と実践的な回避術』を参照してください。

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従来の検索エンジンと重なる部分、変わった部分

AI検索は従来の検索エンジンを置き換えたわけではなく、その上に層を重ねた構造をとっています。クロールとインデックスという土台は共通で、索引に入っていないページはAI検索でも扱われません。

工程

従来の検索

AI検索

クロールと索引化

必要

同じ土台を利用

質問の解釈

入力語との一致が中心

意味の近さで解釈し、下位質問へ分解

絞り込みの単位

ページ

ページ内の断片

提示のされ方

リンクの一覧

要約文と引用元の提示

利用者の次の行動

クリックして読む

回答を読み、必要な場合だけ訪問

変わったのは、評価の単位と、利用者の到達点です。従来は上位表示が到達点でしたが、AI検索では回答文の中に自社の記述が入ることが到達点になります。この二つは連動しません。検索順位が高いのに引用されないページも、順位が振るわないのに繰り返し引用されるページも成立します。上位表示と被引用の乖離は、AI検索に固有の現象として捉える必要があります。

AI OverviewsとAI Modeで処理の深さが違う

Google検索の文脈では、AI Overviews(前身はSGE)とAI Modeが混同されがちです。前者は通常の検索結果の上部に表示される要約、後者は対話を前提とした検索モードです。両者はいずれもGeminiを利用しますが、質問の扱い方の深さが異なります。

AI Overviewsは検索結果の要約という位置づけのため、通常の検索インデックスとの結びつきが強く現れます。AI Modeは、前述のQFO(クエリファンアウト)によってより多くの下位質問を展開し、会話履歴を踏まえたマルチターンの追加質問にも応じます。同じ「AI検索」という言葉でも、前者は既存のSERPの延長線上に、後者は対話型検索の側に寄っていると整理できます。

各サービスの内部処理が全面的に公開されているわけではない点も、あわせて認識しておく価値があります。公開情報から確認できるのは骨格までで、細部の挙動は自社での観測によって補うことになります。

引用元は四つの関門で絞られている

 

「引用されるための条件」は一つではありません。処理フローに沿って見ると、通過すべき関門が段階的に置かれており、どこで落ちているかによって現れる症状が変わります。

関門

通過の条件

落ちたときの症状

①索引化

クロールされ索引に入っている

どのAI検索でも一切登場しない

②候補検索

質問の意味とページ内容が近い

検索順位は高いのに引用されない

③断片の絞り込み

該当箇所が単独で意味をなす

ページは参照されるが意図しない文が引かれる

④回答生成

記述が明確で言い換えに耐える

引用はされるが趣旨がずれて要約される

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